【歯並びに影響】指しゃぶり・指吸いを直す3つの方法を歯科医が解説

 

「指しゃぶりをしていたら、歯並びが悪くならないか心配…。」

「かわいそうだけど、無理やりにでもやめさせるべき?」

 

指しゃぶりがやめられず、悩んでおられる親御さんは、意外と多いです。

お母さんたちのご不安が少しでも軽くなれば…と思い、指しゃぶりに対して、どのように考え、いつごろ、どうやってやめさせていけば良いのかご紹介します。

 

finger _sucking

指しゃぶりが歯並びに及ぼす影響

 

指しゃぶりをずっと続けますと、一般的には上の前歯がどんどん前に出て、「出っ歯」になってしまったり、歯と歯の間に隙間がある「すきっ歯」の状態になってしまいます。

また、指の咥え方によっては、その逆で、下の前歯が前に出る場合もあります。

指を吸うときには、ほっぺたの筋肉を使います。

口をすぼめるような動きになり、歯が生える場所全体が狭くなってしまうこともあります。

その結果、将来的に歯並びのガタガタを誘発してしまうこともあります。

 

無理やりやめさせるのはNG

 

指しゃぶりは歯並びに影響を及ぼしますが、小さい子どもにとっては、精神的な安定を得るために必要な行動である場合もあります。

 

よくあるのが〝寂しさをまぎらわせるための指しゃぶり″です。

 

弟や妹が産まれて、「お父さんやお母さんがかまってくれない…。」「もっと遊んでほしい!」

という気持ちが指しゃぶりに現れることがあります。

 

子どもの気持ちを無視して無理やりやめさせようとすると、他のものに執着するようになったり、頭の毛を抜く、まゆげを抜くといった問題行動をとる可能性があります。

 

「何回言ってもやめない!!!」と親御さんはイライラしてしまうこともあると思いますが、指しゃぶりを卒業する時期は個人差があります。他の子と比べることで焦って子どもに怒ってしまうと、逆にストレスになってしまいます。

 

まわりと比べずに、時間をかけて気長に取り組んでいきましょう。

厳しく叱るのではなく、優しくアプローチすることを心掛けましょう。

 

指しゃぶりをやめさせる3つの方法と時期

 

では、いつ頃からどのようにして指しゃぶりをやめさせたら良いでしょうか?

 

目安は3歳です。

 

親御さんにとっては、やっぱり歯並びが心配になりますよね。

しかし、3歳までの指しゃぶりは特に問題ありません。

無理にやめさせる必要はないので、暖かく見守りましょう。

 

 

①優しく教えてあげる

3歳以降になり、お話が理解できるようになったら「なぜ、指しゃぶりがダメなのか」「お口の中にバイ菌が入っちゃうんだよ」など、やめる理由を優しく教えてあげて下さい。

 

②指しゃぶり以外の楽しみを

新しいおもちゃで気をそらしたり、おやつやごはんをあげることで、指しゃぶり以外の楽しみを与えてあげましょう。

 

③スキンシップ

指しゃぶりをする理由が、寂しい気持ちなどの精神的な理由が原因の場合はたくさんスキンシップをとりましょう。例えば、寝る前に手を握ったり、ぎゅっと抱きしめて安心させてあげましょう。

親御さんからの愛情をいっぱい感じれば、少しづつ指しゃぶりは減っていきます。

 

 

昔は手にカラシを塗ったりしたと聞きますが、逆効果になるので、あまりおすすめできません。

 

そもそも、なんで指しゃぶりをするの?

 

①~1歳頃まで

実は赤ちゃんは生まれる前から指しゃぶりをしています。

赤ちゃんの指しゃぶりは本能的なもので、母乳を飲むための練習でもあります。

お口のそばにきた指や物などを無意識に吸ったりすることで発達のためのトレーニングという意味もあります。

 

②1〜2歳

1歳を過ぎるとたくさんのことに興味をもち、自ら動き回ることが増えます。

成長にともない、指しゃぶりは減っていきます。

不安なときや、寂しいときは自分の気持ちを落ち着かせるために指しゃぶりをします。

また、退屈な時や、眠い時にも指しゃぶりをする傾向があります。

 

③3歳以降

お父さんやお母さん以外のお友達と、公園などで遊ぶようになると、自然と指しゃぶりをすることが減っていきます。

寝るときだけ指を吸うお子さんもいます。

 

 

④小学生

ほとんどの子が5歳ごろには指しゃぶりをしないようになります。

中には指しゃぶりが癖になり、小学生になっても指しゃぶりをする子がいます。そのような場合は特別な対応が必要です。

 

指しゃぶりが歯並びに及ぼす影響

 

指しゃぶりをずっと続けると、一般的には上の前歯がどんどん前に出て、「出っ歯」になってしまったり、歯と歯のあいだにある隙間がある「すきっ歯」の状態になってしまいます。

 

また、指のくわえ方によっては、下の前歯が前に出る場合もあります。

 

指を吸うときには、ほっぺたの筋肉を使います。

口をすぼめるような動きになり、歯が生える場所全体が狭くなってしまうこともあります。

 

【出っ歯】(上顎前突)

前歯のかみ合わせが悪くなり、口が閉じれず、口の中が乾燥するためドライマウスになってしまいます。

 

【すきっ歯】(交叉咬合)

歯と歯の間にすき間ができてしまうため、空気が漏れ、発音に支障がでてしまいます。

また、食べ物がつまり、汚れがたまりやすいので、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。

 

【開咬】(かいこう)

奥歯のかみ合わせたときに、上下の前歯にすき間ができるため、前歯でかむことができない状態になります。開口の状態が続くと、「出っ歯(上顎前突)」になることもあります。

 

その結果、将来的に歯並びのガタガタを誘発してしまうこともあります。

 

これらを治すためには、歯科での治療が必要になります。

そうならないように、指しゃぶりに注意し、歯並びが悪くならないように予防しておきましょう。

 

どうしても指しゃぶりをやめるのが難しいときは

 

もし、お子さんに何度お話をしても指しゃぶりが続くようでしたら、一度歯科医院の矯正相談へお越しください。

 

矯正歯科医からもお子さんにご説明いたします。

 

もしよければ下記もご覧くださいませ。

東大阪で「子供の矯正歯科(小児矯正)」をご検討中の保護者さんにお伝えしたい、当院の5つの特徴

 

また、最終手段ではありますが、指しゃぶり防止装置もございます。

保護者様のお悩みが、少しでも緩和されるよう、お手伝いさせていただきます。

 

 

 

最終更新日:2021/5/10 BY りょうき歯科
(公開日:2015/2/13 BY 三川 翔)

 

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