【大人の矯正】「歯列矯正に年齢制限はあるのか」を歯科医が徹底解説
「もうこんな年だし、いまさら矯正って無理ですよね?」患者さんから意外と多いこの質問。
年齢に関わらず、矯正治療は何歳になってもできるものです。子どもの矯正治療と異なる点はいくつかありますが、決して大人の矯正治療ができないということはありません。
歯列矯正を始めるのに年齢制限はありません。
「矯正治療は子どもの頃にやった方が良い。」という言葉がいつの間にか、「矯正治療は大人になったらできない。」に変わってしまったのでしょうか。
実際のところ、矯正治療の開始年齢に制限はありません。何歳になっても歯は動かすことができます。
確かに子どもの頃に矯正治療を開始した方が、
➀痛みが少ない
➁健康な歯を抜かなくても良い
などのメリットが多くありますので、当院へ来院される患者様には、子どもの頃から開始する矯正治療をお勧めしています。
しかし、成人の矯正治療を否定しているわけではありません。成人からの歯科矯正は可能です。
大人になってから矯正を始めるメリットとデメリット
子どもの頃には気にならなかった歯並びが、成長と共に気になりだした。という方もたくさんいらっしゃいます。
出っ歯やすきっ歯、八重歯など、歯がガタガタとしていることが、コンプレックスの原因となり、消極的になってしまった・・・ このようなお悩みも歯列矯正で歯並びを改善することで、悩みから解放され、プラスの影響を及ぼすこともあります。
ただ、大人になってからの歯列矯正は、抜歯が必要となったり、歯周病など、お口の状態によっては治療が困難な場合もあります。
何歳になっても矯正治療はできますと申し上げましたが、お口の中の環境が整っていない場合は、矯正治療ができないこともあります。
むし歯がたくさんある場合は虫歯治療を優先しますし、歯を支える土台の骨が弱っている状態なども、矯正治療が困難となります。
お口の中を見て、レントゲンを撮影したり、詳しく分析することで、矯正治療が可能かどうかを判断します。レントゲンの撮影や、詳しい分析のためには検査が必要になります。
矯正のメリット・デメリットについては『【歯科医監修】矯正歯科とは?歯列矯正のメリット・デメリットも解説』にて解説しています。
人生設計を考えて、可能な時期を選ぶことも大切です。
歯科矯正は歯並びが整うまでに長い年月がかかります。一般 的に、成人の矯正治療においてワイヤー装置を用いて治療を行う場合、取り外しができず2年から3年間装着しなければなりません。
その間に、患者様にとって大切なライフイベントが重なることがあります。成人式、結婚式、入学式、留学、卒業式、出産、子育て、大事な仕事など・・・そのような大切な時に、ワイヤー装置を外したいと思う気持ちは当然のことですが、残念ながら固定式の装置を外すことはおすすめできません(不可能ではありませんが、治療期間が長くなるなど、デメリットがあります)。
近年、マウスピース型の歯列矯正に注目が集まっています。
治療期間の目安は約2年程(※ケースに応じて異なります)となりますが、取り外しのできないワイヤー矯正とは違い、マウスピース矯正は透明で目立ちにくく周囲に矯正治療をしていることが気付かれにくいので、大切なライフイベントと重なってもワイヤー矯正の様に矯正装置が目立たないというメリットがあります。
当院では、ライフイベントとの兼ね合いなどを相談しながら、治療開始時期や使用装置について、患者さんと一緒に考えていきたいと思っています。
矯正の種類について
■ワイヤー矯正
ワイヤーやブラケットの色が金属色が主流だった頃から、現在ではホワイトカラーやクリアタイプなど目立ちにくい装置もでてきています。
※りょうき歯科クリニックでは、前歯部は透明ブラケットを、臼歯部は金属ブラケットを採用しています。
■マウスピース矯正
マウスピース矯正とは、透明なマウスピース装置を歯に装着し、動いた歯に合わせて定期的に新しいマウスピースに交換していくことで少しずつ時間をかけて歯を移動させていく矯正方法です。マウスピース矯正は透明で目立ちにくく周囲に矯正治療をしていることが気付かれにくいことがメリットです。
取り外しが可能であるため、食事や歯磨きの時はマウスピースを外して、食事を楽しんだりこれまで通りに歯磨きをし、お口の中を清潔に保つことが可能です。ただし、歯を動かすためには装置を1日20時間以上装着する必要があります。このため、長時間外していたり、着けたり外したりを繰り返してしまうと、結果的に歯が効果的に動かなくなったり、マウスピースが歯に入らなくなってしまうことがあるため注意が必要です。
マウスピース矯正については『【2023年版】「マウスピース矯正とは何か?」を歯科医が徹底解説』をご確認ください。
※りょうき歯科クリニックのマウスピース矯正はインビザラインシステムを採用しています。
■舌側矯正
目立ちにくい矯正として、歯の裏側(舌側)に矯正装置を取り付ける「舌側矯正」という矯正方法もあります。
歯の表面でなく裏側に矯正装置をつけるので、普段の会話や笑ったりしても矯正装置が見えず、見た目は通常と変わりません。
※当院では取り扱っておりません。
成人矯正について詳しくお聞きになりたい場合は、いつでもご相談ください。
りょうき歯科クリニックでは、個別カウンセリングを実施しています(予約制)。矯正担当医が患者さんの歯並びに応じた、矯正方法や矯正期間、費用をご提案させていただいております。
矯正歯科ならりょうき歯科クリニックへどうぞ。
最終更新日:2021/4/23 BY りょうき歯科
(公開日:2014/11/25 BY 三川 翔)