口腔ケアってなに?①

訪問歯科で最も大切な診療内容は何でしょうか?
そう、前回のブログでも書いたとおり“口腔ケア”です。

口腔ケアをみなさんに分かりやすく一言で言うと、「歯医者さんが行う歯磨き」です。

専門用語でいうとProfessional tooth cleaning(PTC)です。
そのままやん!と言われそうですね(笑)。

今回はその口腔ケアの重要性についてお話します。

口腔ケア

口腔ケアが必要な方とは

私は普段、訪問歯科診療を行っていますが、そこでの患者さんは、ほとんどの方が口腔ケアが必要な状態となっています。

もともと、歯磨きは本当に難しいものですが、訪問歯科診療を利用しないといけない「寝たきりの高齢者の方」「脳梗塞で麻痺が残った方」だと、より一層、口の中に汚れが多く付いている状態となってしまいます。

その原因は、唾液量の減少です。

「予防 1ランク上の「はみがき」を!(その①)唾液による再石灰化」で、唾液がいかに虫歯を防いでくれているかについて書かれてましたが、体の不自由な高齢者だと、その唾液がつくられる量が減っていることが多いのです。

気づかないままお口の中は汚れていることも

唾液には口の中の汚れを洗い流してくれる作用(自浄作用)があるのですが、唾液の量が減ると、やはりその作用も不十分になり汚れが残ってしまいます。

また、脳梗塞で麻痺が残ると細かい手の動きができなくなって、歯磨きが不十分になります。

健康な方で奥歯に汚れがべっとり付いていると、頬っぺたの感覚で何か気持ち悪さを感じ、その汚れをとりたくなるものです。

しかし、麻痺で口の中の感覚が低下していると(分かりやすくいうと、歯医者でビリビリ痺れる麻酔をされたときの感覚に似ていると思います。)、口の中に汚れがあることに気付かなくなってしまうのです。

お口の不衛生状態が続くと…

口の中に汚れが多いと・・・・・

歯に汚れが付いていると、みなさんご存知のとおり、虫歯や歯周病が進行してしまいます。

食べ物をおいしく食べるには、歯で食べ物をかみ砕く必要があるので、口腔ケアを行い、できる限り虫歯や歯周病の進行スピードを遅くする必要があります。

体が弱った方だと、唾液でむせて気管に入ってしまい、肺炎を引き起こすこともあるのです。
(誤嚥性肺炎といいます。)

お口の中のばい菌の数が少ないと、誤嚥性肺炎になる可能性が低くなると言われているので、口腔ケアは本当に大切です。
口腔ケアを行ったら、原因不明の熱が下がったというような話もあるくらいです。

口腔ケアには、口の中をきれいにするという目的と、さらにもう一つの大事な目的があります。
それは次回にお話したいと思います。

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