押したり噛んだりして子どもの歯並びを自力で治すことはできるのか
「子どもの歯がちょっと気になる。だけど矯正って高いし、もしかしたら、大きくなったら自然と治るかもしれないし・・・。」
淡い期待を抱いて、お子さんの成長を待つ保護者様。少しだけ私の話を聞いてくださいませんか。
歯ならびが自然と治る可能性はほとんどありません。
例外はありますが、歯ならびの問題は生えかわりや成長により改善することがほとんどありません。
そして、年齢を重ねるごとに悪化していくことがほとんどです。矯正治療が必要かどうか、具体的なチェックポイントがいくつかあります。
わかりやすいポイントをいくつかご紹介しますと、
①幼稚園・保育園の段階で、乳歯の前歯のかみ合わせが反対である。すなわち、下の前歯が上の前歯より前方に出ている。
②小学校低学年(1~2年生)の段階で、永久歯の前歯のかみ合わせが反対である。
③小学校中学年(3~4年生)の段階で、出っ歯な感じがする。などは治療の対象となります。
この時期に矯正を開始すると、骨の成長をコントロールするなど、適切な治療を行うことができます。
それでもやっぱり矯正は高いし・・・自力で治せない?
民間療法として、アイスキャンデーの棒をかんでいたら歯並びが治ったとか、わりばしで歯を押さえていたら歯並びが治ったなどの体験談は、ときどき耳にします。
意外かもしれませんが、矯正担当の歯科医師は、民間療法を全否定しているわけではありません。
矯正歯科の分野では、民間療法とは呼ばず、「口腔周囲筋機能療法」などと言いますが、口周りの筋肉のバランスを整えることによって、歯ならびを良い方向へ導くことに積極的な矯正の先生もいます。口腔周囲筋機能療法。いわば、口の筋トレです。
私自身も口腔周囲筋機能療法のセミナーを受講しましたが、歯並びのガタガタやかみ合わせの問題が、矯正器具を着けずに筋トレをする方法で軽度の改善が認められた例もいくつか見てきました。矯正相談では、セミナーで学んだ口の筋トレ方法を、お伝えすることができます。
もちろん、それだけで歯ならびがきれいに治ることは稀ですが、現状より悪化することを防いだり、ある程度の効果も期待できます。
自力で治したいとお考えの方は、一度ご相談ください。矯正担当歯科医師に診てもらうことなく、保護者さまの判断で歯を押したりすることは、歯にとって望ましくない力がかかることもありますので避けた方がよいでしょう。
本当に必要な時期には、矯正治療を受けられることをお勧めします。
私は矯正相談に来られたお子様に対して、必ず矯正治療をお勧めするというわけではありません。
今すぐに治療が必要な場合、もう少し様子を見てから矯正治療を始めた方が良い場合、現時点では治療が必要でない場合など、お子様に応じてお話をしています。
「もう少し様子を見てから矯正治療を始めた方が良い場合」とは、今すぐ治療を開始しても良いけれど、今から開始すると治療期間が長くなってしまう場合を指します。
小児矯正のメリットとデメリットについては『矯正の開始は早い方が良い?子供の矯正のメリット・デメリットをご紹介』にて解説しています。
「様子をみましょう」=「ほったらかし」と誤解されやすいのですが、決して放置するわけではなく、少しでも装置が付いている期間を短くして、お子さんの負担を減らすためには、もう少し待った方が良いと考えています。「他の先生に、すぐに治療を始めないといけないと言われたんだけど、経済的に今すぐはきつくて・・・なんとかなりませんか」と相談に来られる保護者様も時々いらっしゃいます。
本当に今すぐに始めないといけないのか、あるいはもう少し待った方がお子さんにも、保護者様にも望ましいのか、お口の中をみて、判断するように心がけています。治療の時期や費用に関してお悩みの際は、いつでもご相談ください。
当院・りょうき歯科クリニックの特徴については『東大阪で「子供の矯正歯科」をご検討中の保護者さんにお伝えしたい、当院の5つの特徴』をご一読ください。
無料の矯正歯科説明会を、定期的に開催中です
お子さまの歯科矯正に関する疑問にお答えする「無料・矯正歯科勉強会」を定期的に開催しています。概要や開催期日を以下のページで紹介していますので、ぜひご覧ください。