全身疾患をお持ちやお薬を常用中の方が歯科で麻酔を受ける際の注意点
歯科治療を受ける前に
歯科医院を受診される方の中には、様々な病気をお持ちの方、
アレルギーをお持ちの方がいらっしゃるかと思います。
歯科医院では、「抜歯」や「神経をとる」等の歯科治療に伴い、必ずと言って良いほど麻酔を行い、お薬を処方します。
その際に問題となるのが、その方の持っておられる全身疾患と常用されているお薬です。
例えば、高血圧症の方や、血が止まりにくくなるお薬を服用されている方は外科処置の際に十分気をつける必要性があります。
また、腎臓や肝臓が悪い方はお薬の代謝、排泄に時間がかかるため、投与量に気をつけなければいけません。
当院でお出しするお薬、そして歯科治療時に問題となる全身疾患について具体的にお話ししたいと思います。
歯科医院で処方するお薬
私たちが歯科治療において処方するお薬として、以下のものがあります。
内服薬、頓服薬として、
①抗生物質(フロモックス、ジスロマック)
②痛み止め(カロナール、ロキソニン、ボルタレン)
③口腔内用軟膏(ケナログ:副腎皮質ステロイド)さらに局所麻酔薬として、
④キシロカイン、エピネフリン
があります。
以上の4種類が日常的に処方(注射)するお薬なのですが、お薬には相互作用があ
り、時として重篤なアレルギー、ショック症状、治癒不全を引き起こすため、注意
が必要です。
受診時に問診票にも記入して頂いておりますが、過去にアレルギー症状等が出
た方は、必ず申し出てください。
歯科治療時に注意するべき全身疾患として
以下の全身疾患をお持ちの方は必ずお申し出ください。
①高血圧症 (内科等で抗凝固薬であるアスピリン、ワーファリンを処方されている方)
②糖尿病 (標準時の血糖値 HbA1c値5.8%以上、空腹時126mg/dL以上)
③骨粗鬆症 (整形外科にて骨粗鬆薬ビスフォスフォネート製剤を処方されている方)
④心疾患(ペースメーカーの手術をされた方、 抗凝固剤を処方されている方)
⑤抗血栓療法中の方 (抗凝固剤を処方されている方)
⑥肝機能低下
⑦腎機能低下、腎透析を受けられている方
⑧アスピリン喘息
⑨ステロイド服用中
(特に③については、抜歯等の外科処置時に骨の治りが遅くなる可能性が高く、
また⑧については、ボルタレン、ロキソニン等のNSAIDsと呼ばれる鎮痛剤により喘
息発作が誘発され、極めて危険な状態に陥る可能性が大ですので、必ず申し出てく
ださい。)
以上の疾患以外にも全身疾患をお持ちの方は、担当医に遠慮なく申し出てくだ
さい。
我々も細心の注意を払って診療に当たりますが、安全で、より良い治療のた
めにもご協力お願いいたします。
[wcm-show id=1260]