口腔ケアってなに?②~機能的口腔ケア~
前回は口腔ケアではお口の中をキレイにするという話をしました。(専門用語で言うと器質的口腔ケア)
口腔ケアにはもうひとつの大きな目的があります。今回はその目的についてお話していきます。
口腔機能の維持と向上
口腔機能といってもピンと来ないと思いますが、口には生きるためには欠かせない食べる、話す、顔の表情を作るという重要な機能があります。
訪問歯科診療を必要とする高齢者はそれらの機能が弱くなっていることが多いです。
私が訪問診療を行っている患者さんでも、くちびるを閉じる力が弱くなって唾液がだらーと口から垂れている方、舌の動きが悪くなって食べ物を喉へ送り込めずにずっと口の中の手前にとどまったままの方飲み込みの力が弱くなっているために喉に食べ物が残ってしまって、それで食事中にむせやすい方など結構いらっしゃいます。
そういう患者さんに訓練、リハビリを行うことで口腔機能を維持、向上させることも口腔ケアの目的になります。(機能的口腔ケアといいます)
機能的口腔ケアとは?
その口腔機能が弱くなっているかを判別できる何の道具もいらない簡単なテストがあります。30秒間に唾液を何回ごくんと飲み込むことできるかです。喉ぼとけを触わると飲み込んだ瞬間に上に上がりますがそれを1回と数えます。
よかったらみなさんも自分でやってみて下さい。何回できましたか?
3回以上できた方は合格です。
2回以下の方は飲み込みの機能(嚥下障害)障害が疑われます。
機能的口腔ケアによるQOL( quality of life)の向上を
口腔機能が弱くなった方に具体的に何を行うかは次の機会にしますが、機能的口腔ケアを行い食べる・話す機能を極力維持する、あるいは回復させることで生活の質の向上をはかります。(その人がもっている疾患により効果に差はあります。)
また、器質的口腔ケアでお口の中をきれいにして、機能的口腔ケアでむせる頻度が減らせれば、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクを下げることができます。
[wcm-show id=1335]