【からだへの影響】レントゲンやCT検査の種類や被曝量について解説
レントゲン検査の人のからだへの影響
歯科医院に来られて、皆さんが受ける検査として、まず初めに虫歯のチェック、歯周病のポケット検査、そして、レントゲン検査があります。
今回はその中でも、レントゲン検査についてお話したいと思います。
原発事故等の社会情勢を反映してか、テレビのニュースや雑誌などで、被曝線量のことが盛んに言われるようになりました。(特に小さなお子さんへの放射能の影響など報道されているのをよく目にします。)
そして、歯科医院において行われるレントゲン検査の被曝量はいったいどの程度人のからだに影響するのでしょうか?
その答えは、「影響はほとんど無い」と言えます。
例えば、顎全体を写すパノラマ撮影というレントゲン検査がありますが、この検査を10回受けると、胃のX線検査1回の放射線量とほぼ同じ、ということになります。従って、歯科医院で行われるレントゲン検査の被曝量はごく小さなものと考えて良いと思います。
注)実効線量:放射線被曝による個人の確率的影響(がん、遺伝的影響)のリスクの程度を表す線量を言う。各臓器の受けた放射線の等価線量にその臓器の組織荷重係数を掛けた値の総和量として表される。単位はシーベルト
レントゲン検査の種類と目的
続いて、当院において行うレントゲン検査の種類とその目的についてお話しま
す。当院で行うレントゲン検査としては、以下の4つの方法があります。
①デンタルレントゲン検査:歯を一本一本観察するための小さい範囲のもの
(当院では、歯周病やインプラント等のお口全体の治療を行う場合には、歯の詳細な状況を把握するために、これを10~14枚程度撮影させて頂いております。)
②パノラマレントゲン検査:歯及びそれを支える顎の骨、顎関節、その他の病変を観察するための広範囲のもの
③セファロレントゲン検査:矯正治療、またはお口全体を治療するような場合に、側面、正面の二方向から撮影し、骨格的な長さ、角度、ズレなどを観察するために行うもの
④CT検査(CBCT撮影):上記の二次元の撮影では判断が難しい場合に行う三次元的な撮影
例えば、親知らずと下あごの中を走る神経との関係、あごの関節の形、上顎洞と呼ばれる上の顎の骨の中にある空洞の中の炎症の状態、骨の中の膿やできもの、を把握するために行うもの上記の①~④はいずれも治療の目的に応じて行う必要な検査であり、患者様の個々の歯の状態を判断し、ひいては「お口全体の健康」につながるように、使用させて頂いております。
当院では最新鋭の歯科用CT撮影が可能です
特にCT撮影は、従来のレントゲン検査ではわからなかった情報がわかるようになる有効な検査です。
例えば、
・根管治療においては炎症が根っこのどの部分にどれくらい進んでいるのか
・副鼻腔炎(いわゆる蓄膿のような状態)になっていないか
・インプラント治療においては、骨の厚みや深さなどを把握し、安全に手術を行うことができるのか
といった事が判断できます。
さらに当院のCTでは、安全にインプラント手術が行えるように、サージカルガイドと呼ばれるマウスピースのような装置も、CTのデータを参考にして作る事が出来ます。
以上のように、
「レントゲンから得られた情報を確実に診断し、患者様のお口の健康に役立てる」
このことを日々考えながら、診療に当たっておりますので、検査に関するご理解をよろしくお願いいたします。
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