【歯科と再生療法】歯周病は細胞で復活するのか
これまでに、歯周病の治療方法等についてコラムを書かせ頂きました。
菌によって歯の周りの骨が破壊され、歯が抜け落ちてしまう。そんな恐ろしい病気、それが歯周病です。
歯周病の治療ではその進行を止める、あるいは遅らせることで歯が喪失することを予防するのですが、これまでは予防はできても、一度溶けきってしまった骨は戻せませんでした。
しかし、近年になって、その骨を再生させる技術が進歩してきているのです。
再生療法
再生というと最近ではIPS細胞が非常に話題になっていましたね。
実は医療の分野で注目されている再生療法は、歯科の分野では進んでおり、実際に治療法として行われているのです。
少し難しい話になりますが、人間の体が再生するためには、再生する元となる「細胞」、その細胞が増えるための「増殖因子」、そして細胞が増える場所である「足場」が必要と言われています。
簡単に言うと、再生させたい細胞があって、その細胞を元気にする薬を与えて、その細胞が増えるのが邪魔されなければ、体は治癒するのです。
歯科における再生療法
歯科の分野では特に「増殖因子」と「足場」の研究が盛んで、実際に治療に使われています。
しかし、現時点ではある程度限られた条件の骨を再生させる程度に限られていますので、重度に歯周病が進行してしまった場合には治癒させることは困難です。
ただ、言い換えれば、初期から中等度の段階であれば、改善させることもできますので、やはり早期発見が大切です。
再生療法は難易度の高い治療法ですが、当医院には歯周病学会の認定医もおりますので、進行が顕著になる前に一度ご相談下さい。
次回は歯周病とインプラントに関してコラムを書きます。お楽しみに!
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